Webサイトは、インターネットが普及した現代において「会社の顔」であり、情報を広く発信してくれるものとして欠かせない存在です。
しかし、Webサイト制作には専門知識・技術が必要でなかなか自分で作ることが難しく、Web制作会社に外注を考える方も多いことでしょう。外注となると「Web制作を依頼したいが、制作会社がたくさんありどこがよいのかわからない」という悩みが出てきます。
そこで今回は、Webサイトを制作会社へ依頼する際の選び方・依頼前の準備・コンペのことについて詳しくご紹介します。
Web制作会社の選び方は?
数多くあるWeb制作会社の中から、どうやって自社に合う会社を選べばよいのでしょうか。これは多くの方が悩むところだと思います。
そこで、Web制作会社を選ぶ場合にチェックしたい4つのポイントを解説します。
制作実績があるか
気になるWeb制作会社があったら、まずはその会社の制作実績をみてみましょう。どんなWebサイトを作れるのかが、ひと目でわかります。
中でも確認したほうがよいポイントをご紹介します。
●自分たちがイメージするサイトに近いものを作っているか
●どのサイトも安定した魅力あるWebサイトになっているか
●同業他社の制作の実績があるか
●過去に制作したサイトの制作過程を説明してくれるか
これらを確認しておくと、イメージとかけ離れたサイトができあがる可能性が低くなるので安心です。
得意分野は何か
Web制作会社といっても種類はさまざまで、得意分野が違えば制作するWebサイトの仕上がりもかなり違ってきます。
例えば集客に強い会社にデザイン重視のWebサイトを依頼しても期待通りの結果はなかなか得られません。
したがって、目的に合わせたWebサイト制作会社に依頼することが重要になります。
制作会社自身のWebサイトに得意分野がしっかりアピールされているかをまずチェックしてみてください。
一番よいのは、どの分野も総合的に強い制作会社です。制作実績などを参考にしながら選ぶとよいでしょう。また、Web制作会社に得意分野を直接質問してみることも可能です。
見積り・納期の確認をする
「設定予算を大きくオーバーしていないか」、「納期がWebサイトの公開日に間に合うか」をきちんと確認する必要があります。
まず、Web制作会社の見積り項目の例をご紹介します。
●進行管理費:Webディレクターの管理コスト(総額の10%程度が目安)
●サイト設計費:Webサイトの全体像を設計する費用
●ページ制作費:デザインやコーディングなどのページ制作費用
●CMS実装費:WordPressなどの管理ツールを導入吸う場合の費用
●撮影費:モデル・衣装・ヘアメイク・フォトグラファー・スタジオなどの費用
次に、納期の目安は主に以下のとおりです。一般的に、ページ数が多いほど納期までの期間が長くなります。
●LP・5ページ程度のWebサイト:1ヶ月~2ヶ月
●10ページ程度のWebサイト:2ヶ月~3ヶ月
●100ページ以上のWebサイト:8ヶ月~9ヶ月
●独自のシステムをゼロから開発:半年~1年
Web制作会社によって見積り項目・納期は変わりますので確認してください。
対面での打ち合わせが可能か
Webサイトを制作する場合、オンラインで実施するWeb上の打ち合わせと来社してもらう対面での打ち合わせの2つがあります。
Webサイト制作という数ヶ月にわたるプロジェクトを進めるために、何より大切なのは信頼関係です。
やはり直接顔を合わせて行う対面での打ち合わせのほうが、お互いの表情・細かな意向が伝わりやすく、スムーズに進みます。
Web会社によっては、対面での打ち合わせを行っていないところもあるので、事前に確認するとよいでしょう。
打ち合わせ方法にご希望がある場合は、ぜひ弊社にお問い合わせください。
依頼する前に準備すること
自社のWebサイト制作をよいものにするには、依頼する前の準備が重要となります。
そこで、これだけはやっておきたい準備内容を4つご紹介しましょう。
制作の目的を明確にする
Web制作会社に依頼する前の準備として、まずはWebサイトの目的を明確にすることが大切です。
主なWebサイトの種類と目的をご紹介します。
●コーポレートサイト:会社のことを知ってもらうための「名刺」のような役割
●ブランドサイト:ブランドのことを知ってもらい、価値や信頼性を伝える
●サービスサイト:サービスのことを知ってもらい、サービスを申し込んでもらう
●ECサイト:商品を購入してもらう
●リクルートサイト:人材を獲得する
このように目的が異なると、最終的に目指すWebサイトの形・重要なポイントが変わってくることがおわかりいただけたと思います。
目的によって作るWebサイトの種類が異なるので、目的が曖昧のままだと、どんなWebサイトを依頼すればよいのかわかりません。
Web制作会社側の提案の良し悪しを判断することも難しくなってしまいますので、目的をしっかりと明確にして依頼するようにしましょう。
ターゲットを設定する
Webサイトを制作する際には、誰に向けてのWebサイトなのか、つまりターゲットを設定する必要があります。ターゲットを設定することで、掲載すべき情報・適したデザインなどが明確になってきます。
具体的に考えていくのはペルソナ・デモグラフィックの2つです。
●ペルソナ(人柄):性格・趣味・趣向・考え方などのこと。
●デモグラフィック(属性):年齢・性別・職業・年収・学歴・世帯規模・住所などのこと。
例えば、女性向けなのか、男性向けなのかでWebサイトのイメージ・デザインは違います。同じ女性でも、20代向けと40代向けとでは違ってきます。
ペルソナ・デモグラフィック・行動パターンなども組み込んで設定していくとよいでしょう。
どんな機能やデザインが必要か考える
Webサイトの目的やターゲットが決まったら、どんな機能やデザインにしたいのかを具体的にイメージ化していきましょう。
機能でいえばDLボタン・チャットボット・FAQの検索窓などがそれにあたり、デザインではモダン・ナチュラル・ポップなどの「デザインキーワード」を決めておくこともあります。
しかし、デザインキーワードは個々の主観的な部分が大きいため、イメージがなかなかすり合わないことが欠点です。
そのため、思い描くサイトのイメージを最も簡単に共有できるのが、制作イメージに近い参考サイトになります。複数の参考サイトを準備しておくことで、イメージのずれが生じにくくなります。
予算を決める
目的に合ったWeb制作のために、どのくらいのコストをかけてもよいかの大まかな予算を立てておきましょう。
この予算がある程度決まっていないと、実際に必要な案を取り入れられなかったり、不必要な案を取り入れてしまったりと本来の目的から反れてしまう可能性があります。
「○○円くらいなら出せそう」・「○○円以上は出せない」・「○○円〜○○円位の範囲であれば可能」など、大まかでもよいので決めておきましょう。
公開する時期を決める
Webサイトの内容によって制作日数も異なりますが、いつ頃にサイト上に公開したいのか、大まかでもよいので公開希望日を決めておきましょう。
「新商品発売日なので、この日までに間に合わせたい」などの事情がある場合は、早めに制作会社へ伝えて、相談しながら公開希望日を決めていきます。
公開希望日を決めておくことで、Web制作会社が制作スケジュールを立てやすくなり、依頼側も進行状況などの確認がしやすくなります。
依頼する前に社内で意思を統一しよう
実際にWeb制作会社へ依頼する前に、社内スタッフ間で依頼内容を共有して意思を統一しておく必要があります。
その意思の統一に役立つのがRFP(提案依頼書)です。RFP(提案依頼書)とは、Webサイトの開設目的・リニューアル目的・要件などをまとめた資料のことです。
依頼前に社内の意見のすり合わせをある程度行い、検討しておくことで、制作過程中の各部署からの急な変更依頼などを減らしてスムーズに進めていくことが可能となります。
コンペを実施する場合のポイント
Web制作におけるコンペとは、「制作会社が、依頼者側からの課題(提案書・デザイン案など)を作り、それを複数の制作会社で競う方法」です。
自社に合うWeb制作会社を選ぶコンペを実施する場合に、抑えておきたいポイントを2つご紹介します。
多すぎる会社から提案を受けない
複数の制作会社から提案を出してもらい、その中から自社の希望に合った制作会社を選びます。
選択肢が多いのは魅力なのですが、選定となると、依頼者側に提案内容・制作会社の実力・自社との相性などを見極める力が必要です。
多くのWeb制作会社に提案依頼を出してしまうと選定作業が大変になり、それだけでかなりの時間がかかってしまいます。そうなると、制作会社1つ1つの提案を細かくしっかりと評価できなくなってしまう可能性があります。
コンペを依頼する場合には、予め社内で話し合って数社にしぼっておくとよいでしょう。
価格だけで決めない
Web制作会社を選ぶときには、価格が安いからといって安易に決めないことが大切です。特に最終的な意思決定権者に選定の知識が乏しい場合は、価格の安さで決めてしまいがちです。
安易に価格の安さだけでWeb制作会社を選んでしまうと、成果のないWebサイトができてしまったり、要望に応えてもらえず改善ができなくなってしまったりもあります。
価格だけで決めるのではなく、総合的に判断して決めるようにしましょう。
デザイン重視のWeb制作会社は注意が必要
Webを制作するなら、確かにデザイン性のあるものにしたいと思うでしょう。
しかし、いくらデザインを重視しても、それが結果につながらないと意味がありません。
デザイン重視のWeb制作の注意点についてご紹介します。
デザインだけでは集客はできない
Webサイトにおいて、デザインはもちろん重要な役割を担っています。しかし、デザインがいくらよくてもWebサイトの内容、つまりコンテンツに中身のあるものでないと集客にはつながりません。
Webサイトは、商品・サービスを売るためや会社を知ってもらうための手段です。ペルソナを明確にして集客し、そのターゲットを購入・申し込みなどの行動に移せなければ意味のないものになってしまいます。
デザインの他に、Webサイトの目的・ターゲットを明確にし、ターゲットの目線のサイトの構築・SEOなども組み合わせて集客をしていきましょう。
見た目が良くても使いにくい場合がある
Webサイトの目的が集客である場合、デザインなどの見た目がよいだけでは集客にはつながりません。大切なことは、「お客様にとって使い勝手のよいWebサイト」であるかどうかです。
良くない例として、以下のようなことが挙げられます。
●画像が少なく、商品・サービスがよくわからない
●画像は多いが、お客様の求める情報が少ない
●リンクが見つけづらい
●サイトの構造が複雑で、見たいページになかなかたどり着けない
●スマートフォンでみるとサイトのデザインが崩れて見にくい
Web制作におけるよいデザインとは、見た目のデザインだけでなく、集客・お客様の要望・問い合わせなどを組み込んであるデザインのことです。
これらが上手く誘導されていないWebサイトは修正したほうがよいことになります。
制作後の運用サポートがあると安心
Webサイトは制作して終わりではなく、公開後のサイト運用がさらに重要になります。
公開後のサイト運用とは以下のようなものです。
●Webサイトの修正
●ブログの更新
●CMS(WordPress)などのメンテナンス
●サーバー・ドメインの管理・維持
●アクセス解析
●集客に関するアドバイス・コンサルティング
中には運用サポートを実施していない制作会社もありますので、選ぶ際にはご注意ください。
特に個人・フリーランスに外注した場合は価格が安い分、サポートがない場合が多いです。
サポートがない場合は、修正・トラブル解決・現状把握などを自社で行うことになりますが、プロが対応した場合と比べると効率・成果の面を考えてもかなりの差が出るでしょう。
プロによる対応をご希望の場合は、弊社にご相談ください。
Web制作会社の選び方で迷ったときは
どの制作会社がよいのか迷ってしまったときには、とにかくまず、さまざまな制作会社の過去の制作実績をみてみましょう。
過去の制作実績のサイトに自分自身が客として訪れてみて、その内容に興味を持てるかを確認してみます。掲載されている情報はわかりやすいか、お問い合わせ・購入といった行動を起こしたくなるかも重要です。
過去実績でどのようなデザイン・コンテンツを制作してきたか、その得意分野は依頼したい内容と合っているのかを確認してみましょう。
「大手の制作会社だから」「これはよい・これは悪い」というような判断基準ではなく、「どの会社が自社の依頼に合っているのか」という視点で考えていくと、Webサイトの目的に合ったよい制作会社が見つかります。
Web制作の外注先はポイントを押さえて選ぼう
これまでお伝えしたことをふまえて、最後にWeb制作を外注する際に押さえておきたい7つのポイントをまとめます。
●同業他社の実績があるか
●Web集客の知識・経験はあるか
●信頼でき、コミュニケーションに問題がないか
●対面での打ち合わせが可能か
●提案内容が目的・希望に沿っているか
●プロジェクト管理はしっかりしているか
●運用サポートがあるか
現在ではWeb制作会社が増え、外注先の幅も広がりました。
この7つのポイントを参考に、たくさんある制作会社の中から信頼でき、クオリティの高いWebサイトを制作できる会社を選ぶようにしましょう。
信頼できる会社をお探しの場合は、ぜひ弊社にご相談ください。